■シットコム
マイケルJフォックスの出演作を、惚れ込んでいるのかと云う程に観ていた。
勿論演技力などはサッパリ分かる訳も無く、何とはなしで好きだったのだが、
作品に恵まれたせいか、良い映画とテレビドラマ作品に彼は出続けていた。
バックトゥザフューチャーシリーズ、スピンシティ、摩天楼はバラ色に、etc..
その中でも一番好きだったのは、ファミリータイズという連続ドラマだった。
笑い屋の声なのか、観客の声なのかの区別は付かなかったが、
「ここが笑い所ですよ」と提示するタイプの、アメリカンコメディだったのである。
この”観客をスタジオに入れてカメラを回す”という撮影タイプを、「シットコム」
と云い、古くは「奥様は魔女」などが、この撮影手段を取っていた。
「サマンサ!」「ダーリン!」でお馴染みのアレである。
子供の頃からMBS(毎日放送)では奥様の魔女の再放送を繰り返ししており、
その再放送具合は、「じゃりんこチエ」といい勝負をする程であった。
大阪の人間は、オヤジの鼻水入りのお好み焼きをカルメラ屋が食うシーン、
10人に聞けば9人はこのじゃりんこチエの有名シーンを知っている。
ただ、こうやって「笑い屋」入りの番組を観ていたとしても、それはドラマに
限る訳であって、普通のお笑い番組での「笑い屋」に対しては厳しい。
「あんなもんウソモンやん」「なぁ、パチモンやんなぁ」
ミソクソなのである。
さて、CXで放送の始まった「HR」なのである。
これは三谷幸喜が脚本と総合演出をしている「シットコム」である。
複数のカメラを用いてはいるのだが、ぶつぶつと1シーンを取っていくのでは無く、
基本的に一つのカメラで毎週30分を撮る形式なのだ。
噛んだり、台詞を忘れたとしても、アドリブでこなさなくてはならない。
そういう緊張感も含めて楽しんで欲しいと三谷幸喜は言っていたが、
第一話を観終わった感想としては、なんと緻密に出来た作品なのかと。
何をとち狂ったのか、わたしは一時期演劇サークルに属していた頃がある。
東京に住み始めて以来、地声のトーンと音量を下げる事に労力を費やしているが、
元々は大阪の子であり、「街行く人は全員が客」という考えであったが故に、
当然の如くデフォルトで声量があった。
脚本を読み込み、覚える。
そして様々な舞台を進んで観たのであるが、一つの作品に出会ってしまう。
三谷幸喜の1996年の作品「笑の大学」である。(ビデオで有るのかな?)
その完成度に肝胆を寒からしめたわたしは、舞台というモノへの認識の甘さ、
そして本物の凄まじさに、唯々「すごいなぁ、、、」と繰り返すのみだった。
西村雅彦、近藤芳正と三谷作品でお馴染みの二人だが、舞台の場所は
警察の一室のみであり、登場人物のこの二人だけ。
そして緻密な脚本。
些か「古畑任三郎シリーズ」は回が進むに連れて、息切れも目に付いた物だが、
彼の本業は舞台脚本なのである。
第一話終了時点での感想は非常に面白かった。
しかし、「笑の大学」レベルの話をもう一度観てみたいのである。
期待せずにはいられない。